Shopifyを使用した越境ECサイトの制作手順を、重要なステップごとに解説します。
1. Shopifyアカウントの設定と基本構成
Shopifyアカウントを作成し、ビジネスの基本情報を設定します。管理画面から以下の初期設定を行います:
- ストア名と主要な事業所在地の設定
- 取り扱う通貨の設定(複数通貨対応の有効化)
- タイムゾーンと営業時間の設定
- 標準言語と追加言語の設定
この段階で、Shopify Payments(利用可能な国の場合)または他の決済サービスも設定します。国際展開に適した料金プランを選択し、必要に応じてアップグレードできるようにしておきます。
2. 多言語・多通貨対応の設定
越境ECに必要な言語と通貨の設定を行います:
- Markets機能を有効化し、展開する地域ごとのマーケットを作成
- 各マーケット向けの言語設定(製品説明、ページコンテンツの翻訳)
- 通貨換算レートの設定と自動更新の有効化
- 地域ごとの価格設定(必要に応じて異なる価格戦略を適用)
- 言語切替機能の実装(テーマのカスタマイズ)
各市場向けのドメインやサブドメインの設定も必要に応じて行います。
3. 商品情報の最適化
各市場向けに商品情報を最適化します:
- 商品名、説明文、仕様の翻訳
- 各市場の規制に準拠した商品情報の記載
- 市場ごとの価格設定と在庫管理
- 商品画像のローカライズ(必要に応じて)
- SEO対策(市場ごとのキーワード最適化)
また、商品のバリエーション(サイズ、色など)も各市場の慣習に合わせて調整します。
4. 配送設定の構築
国際配送に対応する配送設定を行います:
- 配送ゾーンの設定(地域ごとの配送料金)
- 配送業者の選択と統合(日本郵便EMSなど)
- 配送料金の計算方法の設定(重量基準、金額基準など)
- 関税・税金の表示設定
- 配送追跡システムの統合
必要に応じて、フリーシッピングの条件や配送制限なども市場ごとに設定します。
5. 決済システムの構築
各市場で利用可能な決済手段を設定します:
- クレジットカード決済の設定(対応カードブランドの選択)
- 地域特有の決済方法の追加(PayPal、Alipay、KLARNAなど)
- 各決済方法の手数料設定
- 不正防止設定の構成
- 各市場の通貨での決済処理の設定
決済セキュリティ対策として、3Dセキュアなどの認証システムも適切に設定します。
6. 法的要件とコンプライアンスの対応
各市場の法的要件に対応します:
- プライバシーポリシーの作成(GDPR対応など)
- 利用規約の作成(各市場の法令に準拠)
- 返品・交換ポリシーの設定
- 各種免責事項の記載
- 必要な法的表記の追加(会社情報、ライセンスなど)
これらの文書は各言語で作成し、適切に表示されるようにします。
7. カスタマーサービスの体制構築
国際的なカスタマーサポート体制を整えます:
- 多言語対応のヘルプデスクシステムの設定
- FAQページの作成(各言語対応)
- 問い合わせフォームの設置(言語別)
- チャットサポートの導入(必要に応じて)
- カスタマーサービス時間帯の設定(タイムゾーン考慮)
返品・交換のプロセスも市場ごとに明確に定義します。
8. マーケティング設定
各市場向けのマーケティング施策を設定します:
- SEO設定(市場別のメタデータ最適化)
- Google AnalyticsとGoogle Search Consoleの設定
- SNSチャネルの連携
- メールマーケティングの設定(言語別)
- プロモーションコードシステムの設定
季節やローカルイベントに合わせたマーケティングカレンダーも作成します。
9. 在庫・注文管理システムの構築
効率的な在庫・注文管理システムを構築します:
- 在庫管理システムの設定(市場別の在庫割り当て)
- 注文処理ワークフローの確立
- 自動メール通知の設定(各言語対応)
- 出荷処理システムの設定
- 在庫切れ時の通知設定
必要に応じて、在庫管理アプリを導入して効率化を図ります。
10. テストと品質管理
本番稼働前に以下の項目をテストします:
- 各言語・通貨での購入フロー確認
- 決済システムのテスト
- 配送料金計算の正確性確認
- 自動メール送信のテスト
- モバイル表示の確認
- パフォーマンステスト(読み込み速度など)
すべての機能が正常に動作することを確認した後、段階的に各市場での展開を開始します。